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宇都木昭 (1999) 「朝鮮語の母音の内在的特性」『一般言語学論叢』第2号, 筑波一般言語学研究会, 60-72.

『一般言語学論叢』は筑波大学一般言語学研究室のホームページからダウンロードできます。

要旨

 この研究は、朝鮮語のプロソディー研究の基礎として、朝鮮語の母音の内在的特性のうち intrinsic F0 と intrinsic duration に関する基礎データを得ることを目的にして行われたものである。

 3名の朝鮮語母語話者から録音をとり、音響解析を行った。録音の分析資料は無意味語を用意し、7母音が3種類の音節構造で現れるようにした。これを、キャリアーセンテンスに入れた場合とそうでない場合の両方それぞれで録音した。

 音響解析の結果、以下の傾向が観察された。

  1. 同一条件下では、狭母音は広母音よりもF0が高い傾向にある。
  2. 同一条件下では、 [u] は [i] よりもF0が高い傾向にある(大半のデータで)。
  3. 同一条件下では、 [u] は [ɯ] よりもF0が高い傾向にある(一名の被験者のデータで)。
  4. 狭母音と広母音での intrinsic F0 の差は、開音節構造よりも [m] で終わる閉音節構造のときの方が大きくなる傾向にある。
  5. 同一条件下では、狭母音は広母音よりも持続時間長が短い傾向にある。

このうち、(1) (2) (3) (5) は先行研究の知見と一致するものである。(4) に関しては、今後さらなる検証の必要がある。

訂正

本文p.70の1行目「・・・持続時間長が長い傾向にある。」の「長い」は「短い」の誤りです。訂正いたします。ご指摘くださった梅田博之先生に感謝いたします。